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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第21章 ~甘い香りに惹かれて~
「指輪の円は終わり無き形、永遠の愛の象徴。星の恵み、貴金属は永久の価値を意味します。星に誓い悠久の愛を捧げ、指輪を交換してください」
ルカは指輪を取り、サクナの薬指に嵌める。
「星に誓い、永遠の愛を」
サクナも手を震わしながらルカの薬指に指輪を嵌めた。
「星に誓い、永遠の愛を」
そのときサクナはもう鼻を啜り泣き出していた。
感極まって止めることが出来ない。
「では、ベールをとり、誓いのキスを」
ルカはサクナのベールをあげ、指で涙を拭う。
「サク……愛してる、これからもずっと」
彼女を優しく包み込むルカの蒼い瞳を真っ直ぐに見つめサクナは頷き、ゆっくりと目を閉じた。
大勢の人が見守るなか祝福の光に照らされ、ふたりは甘い香りに包まれた。