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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第21章 ~甘い香りに惹かれて~
こうして、ふたりの願い通り何事もなく婚礼の儀を終えることが出来た。
これより、サクナの戴冠式が行われる。
戴冠式は森にある祭壇にて行われるため大聖堂より馬車で移動することになる。
国王陛下を乗せた馬車を取り囲むように、騎士団が四方を固める。厳重警備の緊迫した空気の最中────
「やっとお前に触れられる、こうして抱きしめたかった」
ルカはサクナの肩に腕を回し頬に手を添える。
「……ルカ、兄様が見てるから……ね?」
口づけをしようとするルカを、サクナはやんわりと拒む。
「今更、兄様の前で恥ずかしがることもないだろ、な?」
「今更も、何も……あ、んぅ……」