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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第21章  ~甘い香りに惹かれて~


「浮かれてるのはいいが気をつけろよ。いつヴァミンが襲ってくるかわからないのだから」

「そうだよ、ルカ」

 やれやれ、と半端諦めに近い呆れた声でケイルは視線を逸らしつつもぼやく。

 だが、

「知らないのサク、ヴァミンは幸せの聖気が嫌いなんだぞ? これはヴァミンよけにもなるんだ」

「ホント?」

 サクナは、そんな話初めて訊いた。

「間違いではない、祈り姫の力は慈愛だからな。サクナが欲情すればそれだけチカラは強くなる」

 シレッと兄は、とんでもないことを言った。

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