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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章  ~偽りの気持ち~

 ルカはサクナの部屋の机にある椅子に座りこちらを見ていた。

 ひとりだと思った。
 あんなに愛し合ったのにそれが嘘だったように部屋に戻ったことが寂しく思えた。

 ルカはずっと側に居てくれるものだと勝手に思っていたから。

 でも、ルカは一緒に居てくれた。
 けど、触れられないその距離が少し寂しい。

「一緒に横になればいいのに」

 彼の腕の中で目覚めたかった。そんな野望のせいかサクナは恥じらいもなく言ってしまう。

「色々……あるんだよ、俺も男だし…………」

「ん?」

「…………一緒に寝たら手出しちゃう。絶対、紳士になれないから」

 サクナはその言葉だけで、ルカとひとつになった甘い感情を思い出し頬を赤く染める。

 正直なルカの感情。
 サクナは彼に、より触れて欲しくて触れたくもなる。

「遠慮しなくてもいいのに……」

 サクナは気だるい躯を半身だけ起こしながら、少し照れながら言う。


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