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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~

「ま、一時的なものだけどな。歳を重ねるに連れ能力は衰えてゆくからな。サクナは今が一番能力が開花してる時だからより強いんだろ」
「ああ、それでか。サクは今…………ん、何でもない」
言いかけてやめられるとすごく気になる。
ルカでも言えないことがあるんだとサクナは改めて思った。
帰り道はヴァミンに出会うことなく王宮へ戻った。執務室にて三人で朝食をとる。
「お食事中失礼します」
部屋に入ってきたのは執事長と一人の若い娘だった。
「陛下、姫様の侍女をお連れしました」
「ああ、ありがとう」
「侍女?」
「サクは、これからドレスを着る機会も増えるだろうから、侍女をつけることにした」
その女性はサクナより年上に見え赤紫色の髪をして給仕服を着ていた。
「ユイナです。よろしくお願いします」
サクナは、ペコッと頭を下げる。
「姫様、本日は作法をお教え致しますのでドレスに着替えたのち部屋へお越し下さい」
「はい、わかりました」
レオナールは一礼をし部屋を後にした。ユイナは部屋の隅に移りその場に立っていた。

