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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~

「ルカ……さま、私ドレス持ってないけど」
「ああ、部屋にもう届けてある、俺の趣味だけど気に入ってくれるといいな」
「…………ルカ様が、選んでくれての?」
「ドレスを作るのは時間がかかるからな、先に頼んでいた。無駄にならなくてよかった」
作ったって。オーダーメイド?
妃になるって色々大変なんだなっと改めて思う。
「なんかすみません色々」
「謝られても困るけど」
ルカは苦笑しながら、珈琲の入ったカップを手に取り啜る。
「あ、昼食まで着てろよ見たいから」
「うんわかった。ありがとうルカ……さま」
朝食を終え、部屋に戻るとユイナはクローゼットを開けた。
「姫様、どれになさいますか?」
サクナはクローゼットの中を見て驚く、色鮮やかなドレスがクローゼットいっぱいに入っていた。
何もこんなに用意しなくても…………
サクナは国の財政のことはよく知らないが、少し不安になる。
手に取ると肌触りがよく高級な布だとわかる。
「それになさいますか?」
「え、あ、はい」
ユイナはそのドレスを手に取り見せてくれる。
淡いブルーのパステルカラー、レースをふんだんに使ってきめ細やかな刺繍が施してある。
袖口は広くとってあり袖にもレースやリボンなどが着いていて可愛らしいドレスだった。

