この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~

「姫様服を脱いで下さい」
ユイナは淡々とした物言いで、無表情のまま言う。サクナはユイナもまた自分を嫌っているのだろうと何となく感じた。
コルセットをギュッと締め付け、ドレスを着る。
なれない衣装が窮屈に感じた。
「陛下は、姫様を子供だと思われているのですか?」
「え、どうして?」
「若い娘のドレスは胸元や肩を出します、そのほうが綺麗ですから」
サクナの着たドレスは胸元を覆い肩も隠れている。サクナの知る貴族の娘は確かに皆そういう服装をしている。
「陛下はよほど、姫様を他人に見せたくないのですね」
サクナはその意味が良く分からなかった。
ユイナは淡々とした口調のせいか、言い方が少しきつく感じる。
彼女も自分のことが陛下に相応しくないと思っているのだろうかと考えてしまう。

