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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第3章 ~偽りの気持ち~

「まあ、姫様はそうやって国の財政に手を付けるのですね。したたかですこと」
「別にそういうわけでは」
「それはどうでしょ、実際そんなに着飾って。祈り姫のくせに」
この位の嫌味など気にすることはない。
確かにマリーの言う通り、ルカは祈り姫としてサクナを妃にしたいと言う。
ドレスを着て着飾ることも必要ない。
でも、サクナは決意した妃であることを何も知らないからこそ学び、少しでもルカの為にと頑張ることを。
マリーの言うことは正しくもあり、間違いでもある。だから卑屈になることは無い。
「姫様、愛されてるなんて思わないことね、所詮あなたは祈り姫としか見られていないのですよ」
「その言葉は陛下を侮辱されてると思います、陛下は優しい方です。例えそうだとしても大切にしてくださいます」
「まあ、では姫様、そこまで言うならもちろん、愛の告白を受けているのですよね? 『愛してる』っともちろん言われたのですよね」
ルカの思いやりは『愛』であると思っている。
大切にしてくれてるしそれ以上のことを望むのはおこがましい。

