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第2章 官能短歌結社の想い出（2）

　私が代表を務める各結社とその短歌・川柳集は、主に異常性欲や性依存症、性的倒錯に悩む女性にとって、AV出演や援助交際・売春・不倫に手を出すのを防 ぐため、「性的な妄想を思いきり発散し、書きなぐることのできる」リハビリの場所として機能することも、目的の一つとしています。実際に短歌・川柳を一心 不乱に書きなぐったことで、援助交際をやめることのできた女性もいました。

　もちろん、性に悩むすべての女性にとって万能な対策というものは存在しないと考えます。短歌・川柳が心の薬になる女性もいれば、かえってそれらを詠むこ とで性依存症が高まるかもしれません。AVを楽しんで性犯罪を思いとどまる男性もいれば、AVを参考に性犯罪を思いつく男性もいるのと同じことです。

　けれども、この短歌・川柳集の歌や言葉を口に出して読みながらオナニーをし、心も体も発散してくれている女性もいます。本当に嬉しいものです。

　私も結社仲間・門下生たちも、普段は多くの女性たちと同じように、OLだったり、学校の先生だったり、主婦だったり、女子大生だったりします。でも、どちらの姿も、彼女たちの本来の姿なのです。

　男性ばかりでなく、女性にとっても大切なことは、性欲や妄想、性依存症や性症状を、無理に抑圧することではなく、発散する場所を設けることで、日常生活 をよりよい形にもっていくことだと思います。女性も、性の妄想だけは思いきり短歌や川柳にしてよいと、私は思っています。

　私も、先輩女性たちのすばらしい詠みぶりに惹かれ、その官能精神を細々と受け継ぎ、かわいい後輩女性たちに語り継いできたつもりです。私よりもソフトな 作品を作る後輩、過激な作品を作る後輩、色々おりますが、やはりレズの気質があるという点では皆が一致しており、その安心感から、女性の体を思う存分に謳 歌して詠まれた作品が多いです。

　私も今後とも、実際の女体を越えるほどの美しく悩ましい香りと匂いの漂ってくる歌を目指し、官能短歌・川柳道に邁進し、修行してまいります。