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揺れる心
第11章 星の結晶
村での生活は変わらない。

明るくなったら起きて簡単な食事をしてから手を繋いで診療所に向かって2人で診察をする。
私が学校に招かれて授業のお手伝いをすることや、
2人で往診に行くこともある。

手を繋いで帰宅して、
簡単な夕食をいただいてから、
お湯を沸かして身体を拭いたり、
湯シャンをしてタオルドライしてから自然乾燥する。

星を見たり、
キャンドルの揺らぐのを見ながらお話をしたり、キスをして狭いベッドに潜り込む。

そのまま眠ってしまう日があったり、
愛し合う日もある。


そして、また、明るくなると目を覚まして、
陸也さんの淹れたチャイで新しい1日が始まる。



合間に、インドの言葉と日本語と英語で日常に使う単語と挨拶をスケッチブックに書き溜めていた。

絵も描いて少しずつページが埋まっていくのを見るのも楽しい。


小さい子供が私達の名前を上手く発音出来なくて、
リッキー、マリーと呼ぶのを聞いて、
村の人達もドクターリッキー、ドクターマリーと私達を呼ぶようになる。


「私…ドクターじゃないのに」と言うと、
「包帯巻きながら優しく笑ってくれるだけで癒しちゃうんだから、
ドクターじゃなくて奇跡のマリア様じゃないの?」と陸也さんが呑気な顔で笑った。


「私は…陸也さんの優しさで癒されたわ?」と手をギュッと握り締めると、
陸也さんは眩しそうな顔をして、
「僕も真理子さんに救われたよ。
色々な呪縛や執着心や嫉妬。
そういうものが消えて、
愛情だけが残った」と言って額にキスをする。



2ヶ月ほど経ったある日、
ふと陸也さんが私に言った。

「ねえ、真理子さん。
生理、きてる?」

「えっ?」

「こっちに来て少ししてから、程なくして寝込んだ日があったよね?
その後…きた?

「そういえば…きてない」

「環境変わったから、遅れてるだけかもしれないけど、
ひょっとして?」


確かに避妊もしないで愛し合ってきていたから、
普通に考えると授かっていることはあるだろう。


ギュッと私を抱き締めて、
「嬉しい。
どうしよう?
こんな処で大丈夫かな?
産婦人科の研修、真面目にやらなかったし。
こっちで出産立ち会ったことは、
産婆さんが居るからないんだよな」

「陸也さん、落ち着いて?
出産はずっと先でしょ?
日本に帰国してからよ?」と笑うと、
陸也さんも笑った。

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