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Snowtime 溶けて、消える
第1章 ***
「お邪魔します。あぁ寒かった…きゃあ!!」

 彼女を先に家に入れ、玄関のドアが閉まると同時に僕は彼女の背後から抱きつき、靴も脱がずに右隣にある浴室へと連れ出す。どれだけ雪を被っても決して外そうとしなかったシルクハットが、浴室前の部屋のへりにぶつかり、彼女の頭から落ちていく。短く纏めた黒髪が露になった彼女は、頭の先からブーツの先まで黒ずくめで、まるで葬式みたいな格好だった。

「ちょ、離しなさい!! 離し、きゃ!!」

 服も脱がずに羽交い締めにしたまま浴室に入り、僕は彼女をより一層強く抱き締めると、背後にあるシャワーのお湯の蛇口を目一杯開く。

 摂氏40度の雨がシャーシャーと僕の肩より上に打ち付けられ、低体温の僕は脳天を槍で串刺しされたかのような刺激に気絶しそうになる。急激な温度変化に苦しむ僕のことなどお構い無しに、シャワーはこれが欲しかったんだろうと熱湯の豪雨を打ち付け、僕と彼女の服を濡らしていく。

「あつっ!! は、離して、ください…服、濡れちゃう」

「嫌です。火傷します…これでいいんです。これで…」

 お湯が僕の体を伝って彼女の身体を濡らす度に、彼女は僕の腕の中でびくびくと跳ねる。胸板に来る爪が食い込む痛みが増す度に、もし直接お湯が当たっていたらヒートショックになっていただろうと確信する。仮にならないとしても、こうも冷えきっていては玉の肌が…弁償になってもいいからその魅力的な肌に傷が付くことだけは耐えられなかった。

「強引な人…おまけに変態さんね。こういうプレイがお好きなのかしら?」

「違います。そんなんじゃないんです。そんなんじゃ…」

 突然の出来事に抵抗を示していた彼女は次第に落ち着きを取り戻し、僕の胸に体を預けたままシャワーに当たり続ける。ずぶ濡れになった服が重くのし掛かるも、暖かさの前ではその不快感もなんのそのだ。

 彼女のコートのボタンに手をかけると、彼女も合わせるかのように無言で僕のコートを脱がし始める。水を含んで鉛のように重くなったコートを皮切りに一枚ずつ脱がしていっては、次々とタイルに落ちていく。身も心もどんどん軽くなっていく僕達を、雨はやかましく囃し立てる。
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