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スワッピング入門+(続)+(3)妻が見知らぬ男に犯される時
第2章 久しぶりのデート
怒りと共に立ち上がろうとした瞬間、目の前が急に明るくなった。

正確に言うと、黒いカーテンの向こう側に照明がついたのだ。

「キャッ・・・・。」

映見が小さく叫んだ。

それもその筈である。

カーテンの向こうが透けて見えているじゃないか。

メッシュの生地はこの部屋と同じレイアウトになっているソファーやテーブルをぼんやり浮かび上がらせていた。

何のことはない。

一つの部屋をシースルーのカーテンで区切っているだけじゃないか。

「こ、これじゃあ隣の人に丸見えじゃない・・・・。」

「あ、ああ・・・・。」

見上げる不安げな表情に、あいまいに頷いた。

雑誌の記事で前もって知ってはいたけど、いざ目の当たりにして僕もさすがに驚いていた。

ガチャリと音がすると人影が映った。

「では、ごゆっくり・・・・。」

ウェイターは僕達に言った同じ口調を繰り返し、去っていった。

「あら、嬉しい・・・・先客がいらっしゃるわ・・・・。」

女の囁く声が聞こえた。

「シッ・・・・邪魔しちゃ悪いよ。」

男の声が遮ると二つの影は重なりながら正面のソファーに座った。

クスクスと忍び笑う声が聞こえてくる。

店内のBGMは再び変わり、ロック音楽を流していた。

「で、出ようよ・・・・裕君・・・・。」

甘えた声が首筋をくすぐる。

「あ、ああ・・・・。」

僕は躊躇していた。

夢にまで見ていたシチュエーションが今、現実になったのだ。

目の前に会ったこともない他人のカップルがいる。

彼等にも僕達の姿が見えている筈だ。

こんな興奮する事があるだろうか。

このまま帰ったんじゃあ、一生後悔するだろう。

映見の性格だと二度と誘いには乗ってこない筈だから。

「ねえったらぁ・・・・。」

目の前にいる人達の手前、強く言えないのか懇願するように囁いてくる。

「わ、わたし・・・・。」

映見の声を遮るように向かいの部屋のドアが開きウェイターが入ってきた。

カチャカチャと食器を置く音がする。

「では、ごゆっくり・・・・。」

彼が出たと同時にBGMが再び変わった。

『あんっ・・・あんっ・・・・んっんっんっんっ・・・・。』

『おおおっ・・・・す、凄いっ・・・・い、いいよぉ・・・。』

僕達は二人同時に顔を真っ赤にした。
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