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VRの罠(汚された愛と勇気の戦士達)
第2章 大型トレーラー
「失礼ですが、お名前は?」

「吉岡愛・・・といいます。」

「そうですか、私は野島と申します・・・。ここでは雰囲気を大切にして・・・博士と呼んでもらいましょうか。」

「はい・・・博士。」

愛がすかさず答えると、男は笑みを浮かべた。

「素直でいいですね。それでは愛ちゃん・・・これからキャスティングを決めます。今回のストーリーは学園を淫魔が乗っ取りにくる話です。画面に映っている登場人物の顔や姿を選んで、お好きなキャラクターを決めて下さい。」

「あのぉ・・・・・。」

愛が、おずおずと聞いた。

「何か・・・・?」

「もし良かったら・・・・他のビューティー戦士も私の友達だったらと・・・・。」

言いながら愛は顔を赤くしている。

恋人の徹を救世主アポロンにしたかったのである。

「ああ、それはリアルで面白いですね。何か写真でもお持ちですか?」

愛はカバンから卒業アルバムを取り出した。

「こんなので大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫ですよ・・・かなりデータも蓄積されていますから平面的な画像を一つでも取り込めば、十分雰囲気は出ますよ。」

「じゃあ、まずブルー・エンジェルから・・・・・。」

愛はミホの写真を示した。

たちまちブルー・エンジェルに変身したミホが映し出された。

「わー、すごーい・・・・本当にミホだぁ・・・・。」

そしてグリーン・エンジェルにユカを、救世主アポロンには勿論、徹を指名した。

「次に女教師の役は・・・と・・・・。」

「あっ、それは麗子先生がいいな・・・大好きなの・・・美人で優しいし・・・。」

「ほう・・・スタイルもいいですねぇ・・・。」

博士も思わず写真に見とれている。

「バスト95、ウエスト58、ヒップ90・・・で身長は172㎝・・・・と。」

「わー、ソックリ・・・凄ぉい・・・・。」

「次に悪役の人選ですが・・・校長先生はこの人でいいですか?」

博士が本物の校長を指差すと愛は頷いた。

そして悪役の副隊長に学年主任の町田を、手下の男子生徒にコオロギとアンパンを指名した。

「出来るだけ嫌いだった人を選ぶとより面白いですよ。やっつける時が快感ですからね。」

博士にそう言われて、最も嫌いだったメンバーを選りすぐったのだった。
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