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ジレンマ
第4章 のどかな朝
彰さんがバイクにまたがったあとに「乗れる?」と聞かれながら手を差し出されたけど、その手は使わずに昔、父親の後ろに乗っていた記憶を頼りに彰さんの後ろにまたがった。

「ナイス。」
「小さい頃、父親の大型バイクに乗って遠くまで連れて行ってくれました。まぁ10年以上は後ろに乗ってませんけどね」
「なるほど。では、少しばかりのドライブと行きますか。しっかり捕まってるんだよ!」
「はい!」

彰さんがエンジンをかけると、独特の低音のエンジン音がかかった。
……車やバイクには興味無いけど、このエンジン音好きなんだよね。

駐車場から出たあと、颯爽と風を切ってバイクが走る。
少し怖いけど、この感じがわくわくして楽しかったこの気持ちが懐かしく思えた。

「……大丈夫?怖くない?」
「はい!大丈夫です!」

信号待ちで止まると、彰さんは聞いてくれた。
それ以外は終始無言でバイクを走らせる。
見慣れた風景が見え始めると、このドライブも終わりかーとなんだか寂しい気持ちになった。
当たり前だけど、バイクだとめっちゃ早い。
彰さんは私の最寄り駅のロータリーに着くと、バイクを止めた。
私は降りるとヘルメットを返した。

「……ありがとうございます。ここまで送ってくれて」
「どういたしまして。また。連絡しますね」
「はい、待ってます」

そうして私は自分の家に向かう。
駅からそんなに離れていないから、数分で家に着く。

「ただいまー……」

誰もいない家に言うと、そのまま自分のベッドに飛び込んだ。
あー……やっぱり自分のお布団が落ち着くわー……。

そう言えば、また連絡しますって言ってたけど連絡先交換してないや。
……まっいっか。

こうして私と彰さんの出会った1日は終わった。
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