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ジレンマ
第5章 新しいミッション
…。
……。
………。
「素晴らしい。目先の課題だけでなく、その先のことも考えていらっしゃる」
「そうね。これなら大丈夫でしょう」
「ありがとうございます!」
良かった、上手くいった。
社長を見ると満足そうに頷いていた。
うん。ご満悦そうで何より。
こうして、無事に終わった大仕事。
ただの事務員のはずなのに、なんでこんな大きな仕事やらなきゃ行けないのかが不思議だ。
「お疲れ様。さっきのプレゼン、さすがだったね」
「社長、ありがとうございます」
「よく君の上司から良い話しを聞くからね」
……課長、余計なことをよぉ言うもんだ。
私は地味に細々と仕事がしたいだけなのに。
「まぁ君のことだから、いい迷惑だろうけど」
「……えぇ。なぜ私が表立ってやらなければ行けないのか。いい加減、細々と事務をやらせてください」
「そうもいかんよ。我社の大事な時は君に頼んだ方がいいだろうからな」
大事な時にこんな考えを持っている私が選ばれても迷惑だと思いますけどね。
……そこで1つの疑問が生まれた。
「……社長、この案件も他の誰かが取ってきたんじゃないんですか?」
「あぁ。課長だ。だが、課長は自分がやるより君に頼んだ方が確実だし、君の成長にも繋がると思って頼んだそうだ」
「……。社長。1つお願いしてもいいですか?」
「なんだ?」
「課長にいい迷惑です!と伝えて置いてください!!!」
「ハッハッハ!ついでに、その返答も課長の想定済みだ。絶対そう言って来るだろうと言っていた」
大きなお世話じゃ!このクソジジイ!!!
……と、心の中で叫んだ。
大きなため息を付きながら私はディスク周りを片付けていた。
すると誰かからラインが入った。
画面を見ると、かなこからだった。
かなこから連絡来るなんて久々だな……。
「プロジェクト無事終わったんだって?今晩、成功を祝して久々に3人で飲み行こ」
あなたはただ飲みたいだけでしょ。
苦笑いを浮かべながらも了解の返事をした。
久しぶりに女子トークでもしてストレス発散しますか。