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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第2章 三度目の訪問
『女は弱し、されど母は強し』

ふと、そんなフレーズが頭に浮かんだ。

(いや・・・・)

晴彦は直ぐに否定した。

(香奈子が、強いんだ)

お嬢様育ちの妻は一見、ひ弱そうに見えるが実は芯の強い女である。

(昔からそうだった・・・)

竹内の訪問でも、粗暴な態度に眉をひそめる時もあるが、概ね優しい気遣いと毅然とした態度は崩してはいない。

実際、我が友人ながら奴の態度では、普通の女性は敬遠すると思うのだった。

『いやっー、うまいっ・・・・最高だぁ・・・』

大声で料理を誉めるのはいいにしても、クチャクチャと音をたてて食べたりするマナーの悪さには、晴彦でも閉口するものがある。

タバコも始終火をつけたまま、はなさない。

あれでは料理の味も台無しだ。

さすがに我慢の限界なのか、圭子も途中からはジュースばかり飲んでいた。

『圭子、もう自分の部屋に行きなさい・・・・』

見かねて晴彦が言うと、ホッとした表情で席をたったのだ。

『おやすみなさい・・・・』

挨拶する圭子に竹内が大声を出した。

『おやすみっ・・・・圭子ちゃん、いい夢みなよっ・・・』

酒に酔った真っ赤な顔と脂ぎった唇が、まさに獣のように見えた。

圭子は逃げるように部屋を出て行ったのだ。

もうこれからは奴を連れてくるのは、やめようと思った。
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