この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
嵐の夜に痕をつけられて
第6章 相沢の謝罪
「ああ、お疲れ様です。
 さっき外から戻ってきたんですよ。何ですか?」


亮太は私の手を離さず目線だけそちらにやって答えた。誰が見ても異様な雰囲気だ。


「先輩はここに……立川に何か用ですか?」


明らかに挑発する口調に亮太の苛立ちを感じる。
背後から聞こえる声の主がどういう顔をしているのかも分からない。


「お前こそこんなところで呑気にしてて大丈夫なのか? 
 お前が午後から外回りに出る前に慌てて課長に出した入力票、あれに前田重工宛ての資料が紛れてたのってわざと?」

「えっ……」


亮太の顔が一瞬で強張る。


「先月騒いでたろ。送っただの受け取ってないだの言って。
 結局課長が向こうに頭下げるだけで済んだけど、明日課長に説明できるんだろうな」

「なんっ……」

「さっきまで課長が部長にずっと呼ばれてたから、とりあえず明日朝イチで課長の所に行けよ。
 俺はお前の尻拭いをしてる他部署の社員に一言謝りに来ただけだ」


そう言いながら部屋の中に入ってきた彼は、私の後ろで止まった。
亮太は何も言えずに睨みつけている。
私を掴む手はいつの間にかほどけていた。


「立川がいつまでも思い通りになると思うなよ」

「くっ……」


亮太の顔が引きつる。


「立川、帰るぞ」

「は、はい」


そう言って彼は私の腕を取って部屋の外へと連れ出した。
優しい、温かい手。見慣れた後ろ姿。

さっきまですごく怖かったのに、今はこの手が嬉しくてたまらない。相沢さんに連れられ、そのまま会社を一緒に出た。
/48ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ