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好きになってくれてありがとう
第15章 はじめまして
「理恵驚かせて悪かった。親父とお袋だ。
あ、理恵に会社手伝ってもらうから。」
こんなところで報告するような内容じゃないようなことを普通にサラッと言った。
「え?働かせるつもりなの?」
お母様の素っ頓狂な声がした。
「会社一つ任される男が女一人養えないなんて困ったものね。藤堂グループの一員なんだからしっかりしてちょうだい。」
また喧嘩になりかねないと思いすかさず二人の間に入って説明することにした。
「あの、私最近まで翼さんの部下で百貨店で受付をしていたんです。最近退職したのですがやっぱり働いていたくて…私からお願いしたんです。」
そうだったっけ?と思いつつもこの二人をまた喧嘩させるわけにもいかずに…
「あと、結婚するから。
式は落ち着いてするかどうするか決める。とりあえず籍は近いうちに入れるから。」
こんなところでしかもこの状況で結婚報告をするのは翼さんくらいだろう。
「そうなのかい?おめでとう。
理恵さんこれからも息子のことよろしく頼むよ。」
「え?理恵ちゃんお嫁に来るの?そりゃなおさら働くなんて辞めちゃいなさいよ。私とお出かけしましょ?」
どうしようかと思っていると翼さんは笑っているだけだった。