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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第4章 メモリー本郷

かなり訝しげられたが納得はして貰えたよう、十河は俺に先ずはどの程度体力があるか見たいと普通のトレーニング機材がある場所に連れて来た。

(病院であれほど自主トレをしたのに、まだこんなものなのか俺は)

やらされたのは基本になるベンチブレス(重量上げ)だが前ほどの高重量とはいかず、そこそこのところで躰が悲鳴を上げてしまう。ここまで落ちたのか俺は、半年以上入院していたそれだけで……。

「基礎は完全に出来上がってはいるが筋肉量が足りず、もう少しあると思った」
「…………。怪我で半年以上鍛える事が出来なかった内に体力が落ちました」
「では暫くは筋トレメニューだ」
「……はい」
「その話し方は防衛大で覚えたものか?」
「なにか問題でもありますか?」
「真面目だな。いや、真面目でなければ自衛官なぞ目指さんか」
「はあ、真面目……」

防衛大に行ったからこの性格になったわけではなく、割と子供の頃からこんな性格だったとは思う。礼儀で始まる柔道をやっていたのも大きいな、それを真面目とは初めて言われた。
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