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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第4章 メモリー本郷

「ほぅ、初めから梯子縛りとは……。格子状の縄目の美しさと難易度の高さ、流石古典緊縛を得意とする堈先生が作るだけある」
「…………」

俺には分らない単語が沢山『梯子縛り』『古典緊縛』。梯子は多分あの縛り方だろうが古典緊縛とは? 

(古典と言うんだから古い縛りなのか? そもそも緊縛は捕り物で役人が縄を打つ……そんな意味合いだったと記憶にはあるんだ)

緊縛という言葉の意味は防衛大の一般講習で軽く習った、勿論それに伴う捕縛における縛り方も。だが海外派遣でもない限り使う機会などなく、ほぼカリキュラムの一部そんな捉え方だったとは思う。
そしてこの手は自衛官より警官の守備範囲、手錠などが一般的にはなるが取り押さえる為の緊縛術が存在……これは本当に江戸時代にあった奉行所からの流れ。

それにしてもこれは俺が知る緊縛とは違う、規則正しい縄目と縛され苦悶の表情を浮かべる女……縛るという行為は嫌いではなかったが、今見ているそれに俺は目が離せないでいるのはなぜだ?
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