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満ちる満ちる満ち足りる
第2章 訪問者
「ドアが空いてる!」

男友達とバカンス?を楽しんだ幸子は朝帰りだった。
家には誰も居ないはずなのに、鍵が空いている

急いで中に入ったが誰も居なかった

「閉め忘れたのかしら」

ま、いっか
シャワーを浴びながら、昨夜の酔った時の記憶をたぐりよせる
恭二とキスをしたのは覚えているのだが、その後の記憶がどうにも思い出せない

「恭ちゃんのばかー」


独り言を言ってみる
シャンプーのいい香りがしていた
女性ホルモンが活性化されたような気がしていた
あたしもまだまだ隅に置けないわねうふふ


うきうき気分で浴室を出ると、人影があった

「きゃあ!」


慌ててバスタオルで身を包む


「Fはあるな~。久し振り!さっちゃん!」

「はあ?なんで彰くんがここに?てか、見ないでよ」

「胸見れるなんてラッキーだったなあ。」

「どうやって入ったの?」

「鍵隠し場所分かりやすすぎ!てか恭ちゃんて誰?浮気でもしてんの(笑)俺が練習相手になるよん。」

「ずっとそこで聞いてたのね。悪趣味だわ」


彰は元夫の弟で、幸子とは同い年。顔は元夫似だが、なんだかチャラい。


「彼女にフられちゃってさあ。さっちゃんに慰めてもらおうと思ったら居ないんだもん。お盛んだなあ。」

「友達ん家に泊まっただけよ。」

「なあんだ。あ、俺サンドイッチ作ったけど食べる?」

「え、いいのぉ!腹ペコなのよぉ」


彰は一人暮らしが長いせいか手際が良い。


「美味しい!あっきー毎日来て作ってぇ」

背に腹は代えられない。

「そういえばさっきメール来てたけど」

「見たの?あり得ない!人のプライバシーを。」 

「モテるねぇ。さっちゃんのことなら何でも分かるよ~♪」

「彼女にはふられたのに?良く言うよ。」

「サンドイッチ返せよ~」

「もう食べたし」

「最近ご無沙汰みたいだね。ゴム俺もっと薄くて良いやつ知ってるぜ~試してみる?」

「余計なお世話!」

「昨日の人とは良かったみたいだね。」

「良いもなにも、何も無かったのよ」

「兄貴がちらついた?」

「それもあるけど。あたし酔っぱらうとさ」


ふいに、昨日のことを思い出して、全身カッと火照る

「どしたの。顔赤いよ。少し寝たら」

「そうしようかしら」
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