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艶めくときは
第3章 移ろう時に揺れる瞳
そろそろ三社祭り
あの頃は 毎年肩腫らして
俺もお前も担いでたな

どんぶりにぱっち半纏に地下足袋
だぼシャツ ねじり鉢巻き
黒髪は夜会巻きにしてよ~
襟足が色っぽくてさ

見惚れていたわ~

ひと休みするとき

人目を避けて夜会巻きを解き
ゆさゆさとくゆらす
お前の恥じらいに
瞬殺された俺……

町会の若い衆は
「黒髪の君」と陰で呼んでたんだぜ

今は少し離れて神輿を見送る
浴衣姿の俺たち

襟足にそっと手を添え
乱れを気にする仕草
堪らないんだよ

つけ上がるから
絶対言わないけどな 

お前はずっとずっと俺の焦がれる
「黒髪の君」だからな

しゃぁねぇから
大事にするよ
 
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