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第3章 三　美香

ムードも何もなくて
そんなみんなが言っているような
ロマンチックなセックスができなかった
美香の気持ちは鉛のように重たかった

然し悪夢は翌日にも続いた

目が覚めて起き上がろとしたら
体中が痛くて　痛くて　痛くて
首から始まり足先手先まですべて
全身筋肉痛で動けない！あそこも痛い
微熱あり
蒲団から出るまでなんと
三十分以上かかり
家を出るまで二時間かかった

誰も教えてくれなかった
こんななら脱処女しなくて良かった！

然し仕事に行かなくては

這うように家をでて
散々な一日だった

それから三～四カ月付き合ったが
二人の最後は公衆電話で
ぷつり切れた

｢…さん？今日約束大丈夫？
えっ？　何？なぜ？…………
さよなら｣

相手
｢あっ約束してた？ごめん　今日無理って言うか　もう会えないんだ
イギリスから彼女が来てて
だから悪いんだけと　これっきりでね　切るね｣
ぷつり…ツーツーツー

なんだ？あいつ　振られたのか？
私は失恋したの？

美香は池袋の地下を
フラフラ歩いていたが
涙も出ない

もちろん後から悲しみが
押し寄せても来なかった

美香はなんだが助かったきがしていた

涙もなく怒りも余りなく
あっけらかんとしている自分

それは公衆電話と言う幕切れが
そうしてくれたのか

それとも
あいつが謝ったのは
最初の約束の下りだけ

後は彼女来たからバイバイ

あっそうしか言えない感じ

きっと上手いんだな
そうだ上手いんだよ
縁の切り方が？

勉強になりました！
美香は笑いがこみ上げてきた

｢アハハハハハハハハ
面白い人で良かった！｣

とりあえず
美香は脱処女
万歳三唱
皆さんもどうぞ！