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女たちは生きる
第10章 爽
「アハハ、何も……うん何も感じなかったなぁ、何とも思って無かったのが判りましたよ」

 今度は爽が空を睨む。
その様子を見てケラケラ笑う矢島は、
爽の眉間に寄っている皺を優しく伸ばし、
「あら?爽ばーちゃんに為ってるよ」
「本当?やめ~ばーちゃん呼ばわり」
「そこ?皺伸ばすのは良いの?」
 一瞬自分の世界に入る爽。
そっか!矢島君は今はフリーなんだよ!
キャ!やった!……なんて喜んでも仕方ないぞ~爽~見込み無いよ~

「お~い爽さんお~い爽さん 爽!」
ビックとして我に返ると

「何、他のこと考えてんの?今は俺に集中して!」

「してる!してる! いやいや……なんか……あれ?落ちこんでない事になるの?」

「はい!全然~」

「私、今日慰める気満々だったから…… そっかあ とりあえず良かったじゃない?」

「俺は超絶ラッキーだった。爽さんに誘って貰えて!そして、こんなに可愛い爽さん見られてさ」

「可愛い?目は悪い?しっかりしろよ~矢島ちゅん」
舌が回らなく為っている爽

「さて、そろそろ帰りますよ。立てますか?」

「大丈夫~ちょっとだけ飲み過ぎているかも~ごめんね」
 矢島に抱えられ地下鉄に乗ると
爽の住む東池袋に向かった。
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