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女たちは生きる
第10章 爽
 東池袋に着き抱き締められたまま、爽はマンションまで送って貰ってしまったのだ。
 少し酔った振りを為てみたりして、ジタバタしている自分が恥ずかしい。
「じゃっ また明後日ね……バイバイ」
矢島はしがみ付いてる爽の手を外す。
嫌……嫌!帰らないで……
 爽は矢島の腕を強く掴みながら
イヤイヤと首を横に振っている。
「爽?どうしたの?」
どうしたの?なんて!狡い……
判っているでしょ……

 離れない爽が堪らなく可愛くて
「キスしていい?」
頷く爽の柔らかな唇に何度も啄むようにキスを落とす。
 その度に、小さな喘ぎ声をあげる爽に煽られて、口づけが深く為っていく。
爽はしがみつき、一生懸命舌を絡ませて来る。

 あ~やっぱりこの人が好き!
堪らなく好き……

「好き……矢島君が……」
「判ってるって……俺も大好きだよ。」

 突然、体を離し矢島の顔をジッと見つめて、
「両想で……良いの?」
爽の言葉が可笑しくて抱き寄せる矢島。

「そうだよ!両想い~ ねぇこの言葉さぁ、高校位から面と向かって言われたこと無いし、聞いて無いなぁ」
「何?それ~普通に言うもん!」
「そっか~そっか~判ったよ~」
可愛すぎるだろ~爽ちゃん!

「ねぇ~お部屋あがる?」
わざと聞こえない振りをしている
矢島に気付かずに

「……あの……さぁ~うち……」
口ごもる爽の唇を優しく貪り……
「うん……一緒にいたいから」
耳元で囁かれて、ぼーっとする爽だった。






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