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朱になる
第1章 運命の出会い
仕事が終わりそうな頃 諒子からラインが入る。
「一時間くらい 残業してから行くね」
その後 ひとつラインを送って帰宅する。
やっぱり 今日は なにもかもが うまく回る。
最寄の駅前のスーパーで 何品か出来合いのものを買い物する。慎二は 料理が好きだ。出来合いの物に少し手を加え ご馳走にするくらいのことはおてのものだ。
諒子の気に入りそうな赤ワインも 忘れずに買った。
慎二のマンションは 駅から歩いて5,6分のところにある。不動産からの収入がもてはやされた時期に叔父が手に入れたもののひとつで 慎二の収入では借りることのできない好条件のマンションを 破格で叔父から借りている。
「今 駅に着いた」という諒子からのラインを受け取り しばらくしてからエレベーターを降りた。エントランスから出て 諒子を待った。慎二をみつけると 少し驚いたようだが「待ちきれなくて」と言うと うれしそうに腕をとってくる。会社を出る前に 香水をつけなおしたのか とてもいい匂いだ。
ふたりで ふざけあいながら 食事をした。
諒子は 礼儀正しく料理をほめ ワインも美味しそうに飲んだ。
諒子は 性欲に対してとても正直だ。へんにもったいをつけたりしない。食事中に 乳房を揉んでも 嫌な顔をせず 「なあに? ここが おなかをすかせているの?」と ズボンの前を撫でてくる。
だから 食事を終えたころには ふたりともほとんど下着姿になっていた。
「明日の朝 急におふくろが来ることになったから。少しでも長く楽しまなくっちゃ」
「いいのよ。私も 明日は用事があるから 泊まれないの」
諒子は ほんとうにいい女だ。恨めしがましい事を言ったことは 一度もない。楽しみ方を知っているし 恩着せがましいところもない。慎二は 諒子とこうなれたのは 本当にラッキーだと思っている。