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ノーサイドなんて知らない
第8章 言葉に出来ない不安
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翌日、熊野さんは、
「ちょっと気が早いけど…」と言いながら、
実家のご両親に病院のことを相談していた。
大きい大学病院は、医師やスタッフも多くて安心かもしれないけど、
研修医や学生がゾロゾロついて回るから、
大きい産婦人科病院にしたらどうかという話に落ち着いた感じで、
2人で早速、病院に行った。
そこは偶然にも、
私と熊野さんも産まれた病院だった。
私達を取り上げてくれた先生は、
大先生として既に半分リタイアされているとのことで、
その息子さんにあたる先生が院長先生になっているそうだった。
生理の日を、きちんとメモしていなかったので、
宿題をしていない学生のような顔で、
最後の生理日なども伝えた。
その前も若干不規則だったので、
赤ちゃんの大きさなどから、予定日は算出しましょうと言われた。
熊野さんが、
私の相貌失認のことも伝える。
「ですので、
先生は勿論、看護師さんや助産婦さんのお顔、
記憶出来なくて、
おまけに皆さま、同じユニフォームなので、
間違えてお名前呼んだり、
ご挨拶出来ないこともあるかもしれません」と言うと、
「問題ありませんよ。
熊野教授からもご連絡頂いてますからね?
お父様のことも、存じ上げていますよ」と優しい顔で笑うと、
「特に高齢という訳でもないので、
最初は月に一度の通院で大丈夫ですよ」と言われた。
予定日は3月初旬と言われて、
帰りに役所で母子手帳を貰って帰宅した。
その後、改めて熊野さんのご両親に電話をした。
私の両親にはzoomで伝えると、
本当に喜んでくれて、
「出産の時には帰国出来るようにするから」と言ってくれた。
近くに住む熊野さんのお祖父様達にも連絡をした。
私の父方の祖父母にも電話をすると、
「週末に遊びにいらっしゃいな」と言ってた。
時差を考えながらフランスにも電話をすると、
「まあ!
良かったこと!
でも、私はとても会いには行けないから、
連れてきてね?」とひいおばあちゃんは柔らかい声で言ってくれた。
周りの大人たちは本当に喜んでくれてるのを実感したけど、
私はその夜も、
また、怖い夢を見てしまっていた。
「ちょっと気が早いけど…」と言いながら、
実家のご両親に病院のことを相談していた。
大きい大学病院は、医師やスタッフも多くて安心かもしれないけど、
研修医や学生がゾロゾロついて回るから、
大きい産婦人科病院にしたらどうかという話に落ち着いた感じで、
2人で早速、病院に行った。
そこは偶然にも、
私と熊野さんも産まれた病院だった。
私達を取り上げてくれた先生は、
大先生として既に半分リタイアされているとのことで、
その息子さんにあたる先生が院長先生になっているそうだった。
生理の日を、きちんとメモしていなかったので、
宿題をしていない学生のような顔で、
最後の生理日なども伝えた。
その前も若干不規則だったので、
赤ちゃんの大きさなどから、予定日は算出しましょうと言われた。
熊野さんが、
私の相貌失認のことも伝える。
「ですので、
先生は勿論、看護師さんや助産婦さんのお顔、
記憶出来なくて、
おまけに皆さま、同じユニフォームなので、
間違えてお名前呼んだり、
ご挨拶出来ないこともあるかもしれません」と言うと、
「問題ありませんよ。
熊野教授からもご連絡頂いてますからね?
お父様のことも、存じ上げていますよ」と優しい顔で笑うと、
「特に高齢という訳でもないので、
最初は月に一度の通院で大丈夫ですよ」と言われた。
予定日は3月初旬と言われて、
帰りに役所で母子手帳を貰って帰宅した。
その後、改めて熊野さんのご両親に電話をした。
私の両親にはzoomで伝えると、
本当に喜んでくれて、
「出産の時には帰国出来るようにするから」と言ってくれた。
近くに住む熊野さんのお祖父様達にも連絡をした。
私の父方の祖父母にも電話をすると、
「週末に遊びにいらっしゃいな」と言ってた。
時差を考えながらフランスにも電話をすると、
「まあ!
良かったこと!
でも、私はとても会いには行けないから、
連れてきてね?」とひいおばあちゃんは柔らかい声で言ってくれた。
周りの大人たちは本当に喜んでくれてるのを実感したけど、
私はその夜も、
また、怖い夢を見てしまっていた。
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