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淫らな館~メイドはお坊ちゃまに溺愛される~
第1章 御曹司という人
私はその日、トランク一つでその家の前に、降り立った。

「ここか。三上家って。」

大きな門に、大きな館。

思わず足がすくむ。

「もう働くって決めたんだから。」

大学を卒業した後、就職口が無く、慌てて専門学校に行った。

1年間、メイドの仕事をみっちり勉強してきたんだから、大丈夫よ。


私は、門の外にあるベルを押した。

『はい。』

「今日からお世話になります、吉沢と申します。」

すると大きな門が、自動的に開いた。

すごいとしか、言いようがない。

私が玄関まで進むと、一人の男性が立っていた。

「東村です。この家の執事をしています。」

「宜しくお願い致します。」

東村さんの後を付いて行き、館の中に入った。
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