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私じゃなくても
第1章 隣の部屋
「いえ、大丈夫です。僕もうるさくしないように気をつけます」

「ありがとうございます。
あ、主人から聞いてます。
二ヶ月…ですよね?」

「はい、二ヶ月だけですけど
よろしくお願いします」

そう言って
洗剤の入った袋を渡そうとすると
奥さんは
赤ちゃんを片腕だけで抱き直し
空いた方の手で
その袋を受け取ろうとした
その瞬間

「ふん…ふん…う、うんぎゃあぁ」

なんと
寝ていた赤ちゃんが
泣き出してしまった。

「気持ちよく寝てたのにすみません」

「い、いえ
なんだか眠りが浅くて
この子あまり寝なくて…」

困った顔の奥さんは
また両腕で赤ちゃんを抱き直し
トントンと身体を優しく叩いた。
その時気がついたんやけど
奥さんはノーメイクで
よく見ると
Tシャツはちょっと濡れてて
髪もささっと束ねたような感じ。
顔も…疲れてるみたいやった。

「じゃ、じゃあ
この袋はここに置いておくので
あとで」

「あ、はい。
わざわざありがとうございました」

「いえ、泣かせちゃってすみませんでした。じゃあ」

「はい」

……ガチャ。

ふーっ…

あの人が
奥村さんの奥さんか。
色白で、優しそうな人やったなぁ。
奥村さんも人当たりのえぇ人やし
赤ちゃんの泣き声は気になるけど、まぁ、この部屋で良かったか。
と、少し安堵した俺は
早速、狭い風呂に湯を張り
そして湯船に浸かった。

休日の風呂は俺のルーティンのひとつ。
早朝帰りする夜勤明けの日はクタクタで、風呂を沸かす気にもならへんからや。

あー…気持ちえぇなぁ。

と、リラックスしてると、また赤ちゃんの泣き声が聞こえて来た。
ほんま一日中大変やなぁ。
そりゃぁ奥村さんの奥さんもくたびれるわ。
奥村さんの奥さん…なんや
ややこしいな。
よし、あだ名つけたろ。
奥さんは色白で…優しい感じで…
そしたらアレやな
豆腐やな。
湯豆腐みたいな…
茶碗蒸しみたいな…
ちゃわん…わん?
ワンちゃん!
よし、勝手にワンちゃんにしたろ。

俺は勝手に奥村さんの奥さんを
ワンちゃんと呼ぶことに決めると
また隣の部屋に耳を澄ませた。
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