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ムッツリ最高
第10章 彼にしか届かない
定時を告げるチャイムがなり、私はカバンを持って、お先に、と告げながら職場を出る。
公務員の良いところは、こういうところだな、と実感しながら、エレベーターに乗ると、ちょうど上村くんが乗っていた。
他にも人が乗っているので、彼は軽く私に目配せをしてみせる。
今日、帰り、どうしよう・・・ホントは、少しでも早く帰って、隆さんからの連絡を待ちたいのに・・・。同期会だけは外せないしな・・・。
そのまま、上村くんと並んで地下鉄の駅に向かい、お店のある繁華街まで二駅、移動する。
地下鉄では、他愛もない会話をしながら、上村くんは私の胸をチラチラ見ていた。
まだ、私の胸はパンパンに張ったまま、Vネックのトップスをつきだしている。
こんな服、着てこなきゃよかったな・・・。
飲み会は、かなり盛り上がり、終わる頃にはみんな二次会に行くと言い始めていた。
私は明日、朝早くから出かける用事があるからと、みんなと別れ、バスに向かう。最寄りのバス停には、たくさんの人が待っていて、ほろ酔いの自分を少し冷ましたくて、歩こうと決め、ビル街に続く道に入った。
その時、後ろから声をかけられた。
はえーよ。やっと追いついた!
上村くんだった。もう、結構酔っているようだった。目が据わったように見える。
えっ・・・。
ほら、どこいく?
いや、今日は、私、帰るから。
えぇ!まじかよ!
行こうぜ!
いや、ホント、帰るから。
最近、なんなんだよ。めっちゃ冷たいじゃん。無視すんなよ。