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レスさんとシンママちゃん【完結】
第12章 出張編  夜の女の子


「あ、これ去年のやつじゃないですか?
 まだあるんですか?」


「これねぇ中国からのオーダーミスで余分なケースが送られて来たんですよ……
 ちょっとうちでも困っててさぁ、場所取るじゃない?残していても
 前の原価の半分でいいから引き取れないかな、ジロウちゃんトコで」



それは去年よく売れた商品で、珍しく商品集約しなくても小型店舗ですら自店消化できた商品です

 追加を頼んでも、海外製品だからとれなかったやつてす



「ああ、じゃあもう全部とる、値札は付いてるんですか?ああ、じゃあそのままでいいですよ、残ったらチラシに併せて値を崩すから」



「ホントに?助かるよジロウちゃん」



取り引き先さんは気を良くしてクルマに戻って行きました



さつそくパソコンを開いて今の伝票を打ち込みます

明日にはデータが飛ぶでしょう



黙って見ていたマナミさんが声を掛けてきました


「買い付けもするの?」


「ええ、たまにですけど、地域性の強い商品とかは本社バイヤーがわからないんで……」



「へぇ、他の営業の人そんなのやってないよね?」



「そうですねぇ、売り場管理が本当の仕事なんで、だから打ち込み出来ない人も結構多いかもしれませんね」



「何年目?」



「会社に入ってからだと15年目ですね、でもほとんどが店長職だったから営業は3年ぐらいです」



「もうバイヤーみたいだったよ?」


「いやあ、バイヤーはもっと数字に強いし、魅せ方も、潰し方も上手いですよ、ボクなんてスポット買いしてるだけだから」



ちなみに魅せ方はチラシとか、展開のタイミング

潰し方は処分のタイミングです


慣れてない人がやるといつまでも引っ張ってメリハリが無くなります



「へぇ?アンタ若手の有望株なんだねぇ?」


「なんかうまいこと隙間に紛れ込めてますね」



ボクは笑った


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