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レスさんとシンママちゃん【完結】
第13章 出張編 夜のシンママさん


そのまま川沿いの花壇に座っていると、街のほうから自転車に乗った人がこちらに向かってきた



ボクは酔っ払いに絡まれたく無かったので、無視した



自転車の人物はパーカーにスエットパンツのラフな格好の女性だ



この人もきっと夜の店で働いてきたのだろうか



通り過ぎるタイミングは緊張する




すると自転車は通り過ぎるどころか、ギギィィ!!と急ブレーキをして止まった



ボクはマズい!絡まれる!と思った


相手が女性とは言え、ケバいスナックのお姉さんは苦手だったから、とにかく巻き込まれたくなかったのだ




「………ちょっと、アンタ、オニィさん!」



最悪だ



絡まれた



思わずポケットの中の財布を握りしめる




ダッシュして逃げようか、



いや相手は自転車だ、すぐに追いつかれる…



ホントに最悪だ………




このまま絡まれて、



怖い男の人に囲まれて、



ボッタクリバーでクレジットカード使われることを想像した



それなら、まだ女性だけのほうが逃げ切れるかもしれない………!!




ボクが立ち上がって走ろうとしたら、




「おおい!?逃げんな、逃げんな!!
 わたしだよ!?オニィさん!!」



「えっ???」



振り返ると被っていたフードを外した女性、


さっきのヘルスの店の女の子だった……






ボクは深いため息をついて、また座り直した



「なんで逃げようとするのよ?わらっちゃうね、
 そんなに怖かった?」





「めちゃくちゃ怖かったよっ!!
 こんな知らない街でさぁ、知り合いなんていないんだから!絶対絡まれたと思ったよ!!」




女の子は自転車を降りて、ボクの手を掴んで振り回してきた



「ゴメーーーン!!怒らないでよぉ!!」



「お、怒ってないよ、まだびっくりしてるんだよ」



するとボクの胸に手を押し当ててきた



「うっっわ!! すご!! しぬんじゃない?」



ボクは短距離走を走った後のように、心臓がバクバクしていた……

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