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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第20章 朝の電話
クミとの旅は、僕を疲弊させた。
僕の心がざらつき、その存在を無視するような態度を取ることしかできない。
それなのに、日曜日に連れ回された取引先や関係団体に行く前には、仲がいいように振る舞うことを強要された。レディーファーストでドアを開け、段差があれば手を差し出せ・・・そんなことまで。
そんな茶番を演じながら、取引先の前でクミが腕を組んできたときには、僕は咄嗟に身をひきそうになる衝動をなんとか堪える。
出張を終えた日曜の夜には、やっとの思いで自分の家に帰り、疲れ果ててそのまま寝てしまった。
朝早くに目が覚めて、鈴音のことを思う。時計を見ると、5時半だった。
昨日は、何もメッセージ送れてないな・・・。鈴音は、そんな僕のことをどう思っただろう?