この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ムッツリ最高〜隆の想い〜
第31章 最終章 はじまり
クミの字で、宛名に僕の名前が書いてある。
切手は貼ってないということは、自分で投函したのか?
鈴音がコーヒーをマグカップに注いで、僕の前に置いてくれる。
僕はダイニングテーブルに腰掛け、封筒を開いた。
そこには、緑色の、薄い紙の、離婚届が入っていた。
クミの記名捺印もしてある。
そして、手紙が一通、出てきた。
そこには、初めて、クミが僕に見せる、心からの言葉が綴られていた。
この一年、カウンセリングに通っていること。
自分は父の愛が欲しくて、無理をし続けていたこと。
義理の母にも甘えられず、弟への対抗心で、いつもキツくてたまらなかったこと。
そして、カウンセリングを受けるうちに、愛されたいという自分の渇望と、そのためには愛するということを知らねばならないこともわかってきたこと。
それを僕と始めてみたかったのに、結局、どうしていいかわからずに空回りしたこと。