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第9章 彼女の妄想

　そんな事を思い出していた僕に、教頭が声をかける。



幸田先生、夏休みの計画、2週間以内に出しておいてくださいね。


わかりました。


　僕たち教員には、夏休みが３日取れるようになっている。
とはいえ、夏の受験対策の講座も持たねばならないので、休めるのは期末テストが終わって授業もない7月の終わりの2週間だけだ。



その時、鈴音とどこかに出かけられないだろうか・・・。




　僕は、白い肌を剥き出した彼女を助手席に乗せて高速を走る妄想で頭をいっぱいにしていた。