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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第13章 赤い紐
その時のことを夢に見ていて、ハッと目覚めると、昼を過ぎていた。
まんじりともせず、朝を迎え、そのまま寝落ちていたようだ。
僕はシャワーを浴びて、少しスッキリする。シャワーを浴びてしまって時計を見ると3時だった。
あと三時間後に、彼女と、また会える・・・。僕は息苦しい気持ちになりつつ、ただ、自分でもまだ混乱していた。
昨日の、あの、自分の中の何かが沸るような・・・。
僕は、そんな気持ちを振り払うように、新しい下着を下ろし、それを身につけた。
そして、書斎に向かい、机の引き出しから、あの紐の入った袋を出す。
袋から、紐を手に取り、その感触を確かめる。
2階に上がり、もう一度、布団を巻き付けて、紐の締まり具合を練習する。
もうすぐ、彼女に会って、本物の、彼女のむちむちの肢体を縛り上げるのだ・・・。
その時、僕の手元に置いていた携帯電話が振動した。僕は、鈴音のことを頭の中に強く描いていて、すぐに彼女かと慌てるように電話をとった。
しかし、その電話の相手はクミだった。
クミの声を聞いて、あからさまにがっかりした声になったことを、彼女は聞き逃さなかった。
そんなにあからさまにがっかりしないでくれる?誰かの電話でも待ってたってわけ?
クミに彼女のことは知られたくなかった。トラブルになる気しかしない。僕は努めて声を平静にした。
別にそんなわけじゃないけど。休みの日に電話が鳴るのは好きじゃないんだ。受け持ちの生徒に何かあったのかもしれないと思うからね。
実際には、県内でも有数の進学校である僕の学校はそんな生徒はほとんどいない。でも、クミは納得したようにすぐに自分のことを話し始める。