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第3章 幼馴染みとの再会

中学を卒業すると同時に雅人が引っ越してしまってからは、
疎遠になっていたのですっかり忘れていた。

「なんでこんなとこにいんのよ?」

「八木ちゃんこそ」

ふたりは思わず立ちあがる。

「やっぱ知り合いなんじゃない」

「ああ……まあ……」

星良はなんとなく誤魔化して椅子に座りなおした。
雅人も照れ笑いを浮かべて座る。

「友だち？」

「友だちというかなんというか……」

星良の答えは歯切れが悪い。

実際、友だちというにはあまりにも関係が薄い。

幼馴染とはいえ、もう何年も連絡を取っていなかったし、
それにほかのN大生たちに比べてなんとなくダサい印象だったからだ。

「幼馴染なんですよ」

そんな星良の気持ちなどまるでわかっていない雅人は、
照れ笑いを浮かべながら言った。