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コンプレックス
第3章 幼馴染みとの再会

こんなことなら、来なければよかった。
なんとか理由をつけてはやく帰ろう。
ぼんやりとそんなことを考えていると……
「あの……もしかして、八木ちゃん……?」
N大生のひとりがつぶやくように言った。
顔をあげた星良の眼に飛び込んできたのは、
ほかのN大生とは明らかに雰囲気が違う地味な印象だった。
ほかのN大生たちはスマートで爽やかな印象なのだが、
このN大生は肌は浅黒く日焼けし、髪の毛はボサボサで、
顔もハンサムとは言い難い。
星良のことを知っているようなのだが、星良のほうはまったく覚えがない。
「知り合いなの?」
里奈が驚いた顔で訪ねる。
「知らない」
嘘ではない。
しばらく考えたのだが、こんな知り合いはない。
と、いうか同年代の男子に知り合いなどいない。
「おれだよ。尾関雅人だよ」
「尾崎……雅人……?」
「中学まで一緒だった、尾崎だって」
中学……尾崎雅人……。
尾崎雅人!
「マー? マー、なの?」
「そうそう! マーだよ」
やっと思い出した。
尾崎雅人は、幼稚園から中学まで同じ学校だった幼馴染だ。
なんとか理由をつけてはやく帰ろう。
ぼんやりとそんなことを考えていると……
「あの……もしかして、八木ちゃん……?」
N大生のひとりがつぶやくように言った。
顔をあげた星良の眼に飛び込んできたのは、
ほかのN大生とは明らかに雰囲気が違う地味な印象だった。
ほかのN大生たちはスマートで爽やかな印象なのだが、
このN大生は肌は浅黒く日焼けし、髪の毛はボサボサで、
顔もハンサムとは言い難い。
星良のことを知っているようなのだが、星良のほうはまったく覚えがない。
「知り合いなの?」
里奈が驚いた顔で訪ねる。
「知らない」
嘘ではない。
しばらく考えたのだが、こんな知り合いはない。
と、いうか同年代の男子に知り合いなどいない。
「おれだよ。尾関雅人だよ」
「尾崎……雅人……?」
「中学まで一緒だった、尾崎だって」
中学……尾崎雅人……。
尾崎雅人!
「マー? マー、なの?」
「そうそう! マーだよ」
やっと思い出した。
尾崎雅人は、幼稚園から中学まで同じ学校だった幼馴染だ。

