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第3章 幼馴染みとの再会
「驚いたな」

「なにやってんのよ、あんなところで……」

「いつものことなんじゃないかな」

「いつものこと、ってなによ?」

意外にも冷静な雅人の反応に、
いまだに動悸が収まらない星良の語気は強くなっている。

「先輩たちはかなりの遊び人なんだよ。

合コンで女の子を引っ掛けては、その――」

雅人が言いにくそうに口籠る。

「わかるだろ?」

「……もしかして、あんたも、あのひとたちと一緒に遊んでるの?」

星良は軽蔑の色をした眼で雅人を射た。

「そんなわけないだろ。今日は急にひとり来られなくなったから、
って無理やり付き合わされたんだよ」

「どうだか」

「ホントだって!」

雅人は泣きそうな顔で訴えた。

「どうせあんただって、

先輩たちと一緒になって遊びまくってるんでしょ?」

それでも星良はまだ雅人のことを疑いの眼で見ている。

「おれはそんなことしてない、って」

「信じられない」

星良はプイ、とヘソを曲げた。
あんなところで、あんなことをするなんて、男なんて信用できない。

「八木ちゃんこそ、どうなんだよ?」

雅人はロビーに置かれた革張りのソファに身を預けながら言った。

「八木ちゃんだって、よくこういうところで合コンしてるんじゃないのか?」

「あたしは、そんな――」 

と、言いかけて、思いなおす。

いまだに誰とも付き合ったことがない、なんて
……いい歳をしてバージンなんて、雅人には知られたくない。

「ま……まあ、ね」

星良は精いっぱいの虚勢を張った。

「嘘だね。どうせモテないんだろ」

雅人が少しからかったように言う。

「あんたと一緒にするな!」

星良は、ソファに置いてあったクッションを雅人に投げつけた。
高級そうなクッションが雅人の顔に当たって、床に弾む。

「なにするんだよ」

雅人は怒るでもなく、
床に転がったクッションを拾いあげてソファにそっと戻した。
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