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第4章 再会の夜
「……どうして?」

星良はベッドに座りなおして、立ち上がった雅人の顔を見上げた。

「どうして、って……」

雅人は、自分の顔を上目遣いで見上げる星良を見て、視線をそらした。
下着姿の星良が眩しくて、自分が押さえられない気がしたから。

「やっぱり、わたしなんかじゃ、いや、ってこと?」

ホテルまで来て、下着姿にまでなったというのに、なにも進展しないなんて。
やはり自分には女性としての魅力がないのだ。
星良の眼から涙が溢れた。

「わたしのこと、女として見れない?」

「そんなことないよ!」

星良に見つめられて、雅人は狼狽した。

「八木ちゃんは、じゅうぶんに魅力的だよ」

「嘘!」

「嘘じゃないよ!」

「じゃあなんで、帰ろうとするのよ⁉」

「それは……」

雅人は言いかけて、星良に背中を向けた。
ふたりに重たい沈黙がのしかかる。
星良はがっしりと大きな雅人の背中を見つめながら、あふれ出る涙を拭った。

そして……

「ごめん……おかしいよね。なに言ってんだろ、わたし――」

言って星良が立ち上がったそのとき――

「おかしくなんて、ないよ」

雅人が振り返って、星良を抱きしめた。
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