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第4章 再会の夜
(マー……?)

突然のことに星良は、頭のなかが真っ白になった。
いったいなにが起こったのか理解できない。

苦しいぐらいに強く抱きしめられているせいか、
雅人の心臓が早鐘のように鳴っているのがわかった。

同じように自分の心臓も暴れているのがわかる。

これが男の体臭なのか……。

父親以外の男にはじめて抱きしめられて、独特な匂いに包まれたせいか、
意識が遠くなりそうになる。

嫌な匂いではない。
とは言え、いい”ニオイ”というワケではない。
だが、なぜかクセになる。
そんな不思議な”ニオイ”だ。

汗と肌の匂いが絶妙にブレンドされた、まるで媚薬のような匂い。
中枢神経が、温かいホットケーキに乗せられたバターのようにとろけそうになる。
これがフェロモンというものなのだろうか?

そして、それに追い打ちをかけるように――

「八木ちゃんが、好きだ」

雅人が、甘い声で静かに言った。
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