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最後の大人の夏休み
第2章 2022.7.19
電気を消して暗い中、私のスマホだけが光る。彼の寝顔を見ながらも罪悪感が湧かないのはお酒のせいかな。

スワイプ、スワイプ。
あんまり顔もプロフィールも見ずに感覚で右左。
そんなことを暫くしてたら早速メッセージがきた。こんなアプリなのに顔写真を載せてる可愛い感じの男の子。
簡単な挨拶をした後に、
「割とすぐ会うの抵抗ある方ですか?それともメッセージ交わしてから会いたいタイプですか?」
と律儀に聞いてくれる。
私は都合の良い時に会えればそれでいいからと、トントンと話が進み、明日のお昼会うことが決定。いくらなんでもこんなに早く決まるものかと、驚いたことを伝えると、
「二極化ですね(笑)男の自分が言うのもなんですけど、男の素行が悪いのが多いので慎重な女性も多いです。」
とのこと。次から気をつける旨を伝えると、
「自分の身のためにもそうしてください(笑)」
といったやりとりをした段階で、優しい人だな、と感じるチョロい私。

その後は淡々と待ち合わせ場所と時間が決まり、アプリ上での連絡の不便さを考慮してLINEに移行することに。教えてもらったIDを打ち込み、ローマ字表記の下の名前のみのアカウントを登録。一方の私は堂々と漢字表記のフルネームのため少し恥ずかしさを覚える。
LINE上でも少し会話をして、時計を見ると深夜2時を回っていた。適当にスタンプで就寝の旨を伝えて、終了。

もしかしたら明日以降も他の人とLINEを交換するかもしれないから、と、漢字表記で下の名前だけに変更して、その日は眠った。
久しぶりの、初めましてに少し心が躍っていた。お腹のズンとした重みは消えた。
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