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木の実を集めて君にあげる
第4章 瑞樹ちゃんとのキス
「時差ボケが抜けない」と言いながら、
珍しく眼鏡姿で現れた高橋は、
アイスコーヒーを飲みながら僕たちを見た。


近況報告をし合った。

高橋は、市立の医学部に入ったことと、
段々忙しくなるだろうから、
旅行に行ってたと言いながら、
小さいスノーボールを僕たちにくれた。

ひっくり返して中を真剣な顔して観てる瑞樹ちゃんのことを、
僕は真剣に見つめてしまった。


紘子ちゃんは、
「私、おバカで医学部も薬学部も入れなかったから、
看護科に行ってるんだよね」と笑う。

地元でも大きい病院の娘だと聞いていたから、
親のプレッシャーとか、あるんだろうなと思ったりした。


僕は、
「都の西北だよ?
法学部」と嗤った。

東大、落ちた話はとても出来なかった。


瑞樹ちゃんは、
「同じ…法学部かな?」と笑った。


まあ、教養学部終わったら、
振り分けられるという意味では、
まだ、学部は確定してないから、
そう言ったのかな?
あるいは、東大って言えなかったのかもしれない。

それは、僕への遠慮なのか、
女子で東大って言うのが嫌なのかは判らなかった。



この前、瑞樹ちゃんの実家で会った時に話をしていたメモを見せながら、
同窓会の話をしようとしたら、

「そこまで話してるなら、それで良いじゃん」と高橋が欠伸をしながら言って、
同窓会の話はそこで終わってしまった。

そして、唐突に、
「それより、折角4人いるからさ、
映画観に行かない?」と言い出した。



高橋と紘子ちゃんが楽しそうにスマホで検索をして、
「チケット、取ったから、
行こう!」と言って、
席を立った。


僕と瑞樹ちゃんは少し唖然としながら、
つられて立ち上がった。



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