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マッスルとマシュマロ
第12章 被虐の理由
ホテルで多恵と別れ、宏樹はバスに乗り、大学に向かう。空は厚い雲に覆われていた。夏の空気と、秋の始まりの空気が混ざり合い、夜から雨になるという予報だった。
宏樹は足早に夏菜子の研究室に向かった。
研究室につき、多恵との被験について報告にきた宏樹に、コーヒーを出してくれながら、夏菜子は宏樹の話を黙って聞いていた。
「僕は、奥貫さんに、テストの後に、聞いてみたんです。いつから、そんなプレイをするようになったのか、何がきっかけだったのかと。」
その時に、多恵が教えてくれたのは、一番気持ちよかったSEXをしてくれた人の話だった。
その頃の多恵は結婚していたのだと。
そんな時、たまたま出張で一緒になった男と、不意にそんな関係になったのだと。
多恵は、初めは拒んだのだと言う。それを、男は、押し切るように迫り、嫌だと言いながら、身体を反応させる多恵を嬲り尽くしたのだという。
嫌だと言いながら、こんなに濡らして、いやらしい女だ、お前は淫乱なんだ、と、言葉でなぶられ、気がつくと多恵は悩乱する様に快感に呑まれたのだと。
それ以来、言葉でなぶられることが好きになり、それがどんどん深まって、スパンキングも、緊縛も、アナルセックスも、覚えていったのだと。