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マッスルとマシュマロ
第12章 被虐の理由
「ただ、その男の最高なのは、本当に私が嫌なことはしなかったのよ。その彼と止むに止まれず別れることになった後、いろんな男とハードなSEXしてみたけれど、私の反応を見ず、自分の欲望だけぶつけるような人も多くて。ギリギリの私の欲望を引き出すあの匙加減みたいなものは、その男が最高だったわ。」
宏樹は、そんな多恵から聞いたことで、自分ではよくわからない、と夏菜子にその気持ちにあるものを聞いてみた。
「嫌なのに、本当は、嫌じゃない、って、どういうことですかね?」
夏菜子は自分の机に浅く腰掛けるようにもたれ、マグカップを抱えるように持ちながら答えてくれる。
「女はね、いろんなことを、抑圧して生きてるわ。女に、こんなに性欲があるってことも、宏樹くんは意外だったから研究をしたんでしょう?」
「そうですね。特に、女性の奥深さを感じて、この研究をしてますね。」
「男は、性欲があることは、自他共に認めてるし、それが誇り、みたいなところもあるじゃない?」