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マッスルとマシュマロ
第15章 陽の光の中で
「お疲れ様でした。5キロは歩きましたよ。」
「あら、そんなに?」
気がつくと、うっすらと汗もかいている。
宏樹には、ウォーキンをして、少し上気した華の笑顔がかわいらしく見え、そして常に意識していたその肢体に触れたくて堪らなくなっていた。
その熱を帯びたような自分の身体が、その喉の痛みから来る熱なのか、華への欲情なのか、自分でもわからない。
ただ、早く二人きりになりたい・・・。
そんな思いだった。
「この後、トレーニングできそうですか?」
「はい。大丈夫です。」
しっかり歩いて、華はすっきりとした気分だった。いや、むしろ、高揚してると言ってもいい。
「では、実はこの近くに僕の家があって、車があるんです。今日はここから、ジムまで車で行きましょうか。」
そこまで甘えていいのか、と思いながら、また電車に乗る気にはなれず、戸惑う華に、宏樹はまた、あの抗いようのない笑顔で言う。
「さあ、行きましょう。」
華は、思わず頷いていた。