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マッスルとマシュマロ
第16章 熱


 素直に、華に言われるまま、ジムの地下の駐車場に停めていた自分の車の助手席に乗る。



「運転・・・大丈夫ですか?」


 大きめのRV車なので心配して宏樹が聞くと、華は笑顔で答える。 



「大丈夫ですよ。うちと同じ車種ですし。週末はね、息子のサッカーの試合に行くのに、自分で運転するんですよ。」



 華は、自分のシートベルトをする前に、自分の着ていた上着のパーカーを宏樹にかけ、宏樹の腰から下には、バスタオルをかけ、シートベルトをしてくれた。



 パーカーを被せ、シードベルトをとりだす時、まだウェア姿の華が身を寄せ、宏樹の顔のすぐそばに、あの胸の谷間が迫る。



今は・・・これを楽しむ余裕も、ないな・・・。



 そして、華のパーカーからは、あの石鹸の匂いがして、宏樹をなんだか素直な気持ちにさせていた。

 安全運転な華の助手席で、宏樹は熱に引き込まれるように眠ってしまっていた。
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