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マッスルとマシュマロ
第19章 熱の中で
まだぬくもっていない身体の冷たさが気持ちよくて、宏樹はそんな華を抱きしめた。
「起きたの・・・?少しは、気分良くなった・・・?」
優しく、囁くように華が聞く。
華の中では、さっきまでの苦しそうな姿と、朦朧としながら泣いていた宏樹を世話をしてあげなければ、という気持ちで、裸で宏樹を冷やしてあげることは、もうすっかり、看病なのだから、と思っていた。
そして、華自身も、宏樹の肌に触れ続け、何かが解放されるようで、頭の中が、幸せな気持ちでふわふわと何かに酔っているようで、裸で抱き合うことが自然な気持ちになっていた。
その全てを受け入れるような柔らかな華の雰囲気そのものが、宏樹にも伝わっていた。
あんなにみっともなく具合を悪くした自分を甲斐甲斐しく世話をして、今、こうして、裸で、自分を受け入れてくれている。
あの、琴美が去った日以来だった。こんなに誰かの前で心を開き、甘えた気持ちになれるなんて・・・。
これまで自分が強がって生きてきた何かが、解けていく気がする。