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マッスルとマシュマロ
第21章 繋がり
頭の中では、あのモデルのような女性と歩いていた姿が思い浮かぶ。
長野に月の半分は出張に出る夫は、ラボの近くにコテージを持っている。
華も以前、一度だけ行ったことがあるが、別荘用に建てられたそれは、暖炉もあるログハウスで、張り出したウッドデッキから見える高原の風景が美しいところだ。
そのウッドデッキで、木漏れ日の中、朝食を一緒に食べたのは、華の大切な楽しい思い出だった。
もしかしたら、あそこに?
華の中で、強い嫉妬が頭をもたげていた。
何かしないと落ち着かず、華はリビングをしばらくうろうろとした後、夫の書斎に入った。
掃除をするために毎日入ってはいるが、その書類などに触れたことはない。
でも、今日は確かめたくてたまらなくなっていた。
夫の大きな机に座り、引き出しなどを開けてみるが、きれいに整理された文房具や、難しそうな報告書しかない。
パソコンの電源をいれてみる。
パスワードに、夫の名前と誕生日、華の名前と誕生日を入れてみたが、違っていた。最後に息子の名前と誕生日を入れてみると、パソコンはすっと、開いた。