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マッスルとマシュマロ
第22章 邂逅
応接室で、このラボの目的や設備などを説明している間、竜馬は興味深げに話を聞いてくれた。
もう、大人になったんだ・・・。あの頃とは、違う・・・。
正弘は、会長然とした竜馬の姿にホッとしながら、ラボの中へ案内をした。
ラボを見て回っている時に、正弘は竜馬と、室長が美久と、なんとなく二組に分かれててしまった。
滅菌ラボがガラス越しに見える廊下を歩きながら、正弘は竜馬に言った。
「苗字が変られていて・・・気づいていませんでした。会長のお名前は存じ上げていたのですが・・・」
竜馬は大学の時に、その医療法人の一人娘と出会い、その後入婿として結婚していたのだ。
自分達の前を、室長と秘書の久美が少し離れて歩いているのを気にするのか、竜馬は正弘の耳元に口を寄せて囁くように言った。
「俺は、この提携の話を聞いて、お前の名前を見つけたから、ここに来たんだよ・・・。
久しぶりに、お前に会いたくて・・・。」
あの頃と同じように低く、でも、あの頃より少し掠れたような声で耳元で囁かれ、正弘は下半身が熱くなり、手のひらに汗をかく。